事業再生アドバイザー認定試験は講座を受講して受験するのがセオリーです。専門性が高く試験の問題の傾向もつかめないため講座を受講するをお勧めします。私も講座を受講して受験にに挑み1発合格しました。
では、完全独学で合格できないのか?と問われるとそんなことは無いと思います。ある程度事業再生の実務を行っている方等であれば満点合格とは言わないまでも合格することは可能だと考えられます。
この記事ではあくまでも自分の実力で合格したいという方向けのアドバイスについて解説していきます。
独学合格に向いている人①事業再生士
事業再生士、通称ターンアラウンドマネージャーと言われる事業再生の専門家の方達は事業再生アドバイザー認定試験に独学で合格できる可能性は高いと思われます。ただ、金融機関の立場として事業再生をどう支援していくかという視点で問題を解いていく必要があるのでターンアラウンドマネージャーと立場が異なるということを認識していく必要があります。
独学合格に向いている人②金融機関お勤めの方
もう1つは、実際に金融機関で働いており、貸付先の会社の再建に携わったことがある方です。事業再生アドバイザー認定試験の受験者は金融機関の職員が圧倒的に多い試験です。つまり金融機関として必要な知識が詰まっているので既に実務を積んでいる方なら合格する可能性は高いと思います。ただ、事業再生対象企業を法的整理で再生させるのか?、私的整理で再生させるのか?によって税務で受けるメリットに違いがあるのでそこは別の書籍等で補完した方が良いと思います。
独学はここを重点的に勉強すべし!!
ここからは私が受験した時に感じた点をベースに独学で合格するにはどの当たりを補完していけばよいかというところを解説していきます。
①リストラの種類
リストラには種類があり、この事業再生アドバイザー認定では大きく捉えており、コスト削減もリストラの1つであると捉えています。単純に従業員や費用を削減するといった点よりもリストラする項目をどう判断していくのか?という点がポイントになっているのではないかと思います。
例えば、業務リストラ。目的はコスト過剰の解消ですが、考え方は「必要利益を上げるためにこれしかしか使えない」と考えること。具体的に言うと、仕入先め外注先は最低3社維持用の見積もりをとり競争させて、この会社しかないというところまで徹底すること。今まで10人で行っていた業務を7人・5人で回せないか?、正社員から派遣社員・パートに切り替えることはできないか?等を検討することです。
財務リストラは借入金の返済が目的です。有形固定資産や株式、ゴルフ会員権の売却する。在庫の圧縮(特に不良在庫や陳腐化しつつある在庫は叩き売ってでも現金化します。いつの間にか現預金を豊富にすることが目的となりがちですが、いかにB/Sを圧縮するか?という考えで現金化するものを選ぶ必要があります。
➁再建計画のチェックポイント
「事業再生アドバイザー認定試験」という名前の通り、事業再生を行う計画となる再生計画はマスターするべきポイントだと思います。特に再生計画をどうチェックしていくかというポイントはマスターしておく必要があります。
「再建計画」は試験ではいわば総合問題ともいえます。リストラも終わり、これから本格的に会社の再建に入っていく訳ですが、事業再生アドバイザー認定試験の勉強をしていてここが一番面白い部分であり、実用的な部分です。
事業再生・企業再建は「経営実態を把握→再生計画作成→定量分析・定性分析→経営改善のための方針決定→対外折衝と協力依頼→各リストラの実行→キャッシュフロー経営」までもっていく必要がありますが、特に再生計画作成→定量分析・定性分析は何度も繰り返すことになります。
私の受検時の感想ですが、試験の問題の出方は税務の細々とした質問よりも、私的整理についてが多く出題されました。特に中小企業は会社更生法や民事再生法の適用されることはほぼなく、「一定の私的整理」を適用させて税務面のメリットを享受しつつ債務者企業が自力で再生を図っていくことが理想です。それが試験にも反映されているという感じですね。
③問題集を繰り返し説く
これはどの資格試験に通じる点ではありますが、問題は繰り返し説く必要があります。実務経験があったとしても講座を受けないのであれば尚更、問題集は購入した方が良いと思います。
勉強に飽きたら自分の働く会社をイメージしてみよう
勉強に飽きてきたら自分の働いている会社(もしくは働きたいと思う会社)をイメージしてみましょう。金融機関は現在の会社をどう見ているのか?。「こうすればもっと費用を削減できるのに。」や「自分の働いている会社の事業シェアはどこに位置しているのか?」といった点を意識してみると楽しく勉強できると思います。
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