私は事業再生アドバイザー認定試験を通信講座を受講し取得しました。その感想を包み隠さずお伝えてしていきます。
通信講座を受講しようと考えた理由は私がアセットマネジメントの仕事をしているという点が大きく影響しています。
ファンドの運用会社で働いています。普段は不動産の運用をするファンドの運用を担当していましたが、ある時期、事業再生ファンドの運用を担当することになりました。
当時、勤めていた会社でも企業再生ファンドは初めての取り組みということで、私も同僚も含め事業再生に詳しい人間は誰もいませんでした。初めて参加したミーティングでは、投資先の企業の社員の方達や再生に関わるコンサルタント、弁護士、税理士とのミーティングも専門用語が飛び交い、言っている内容が分からなかったことをよく覚えています。
ただ分かったことは、事業再生はただ売上が上がる組織になればよいということではなく、経営者も含め社員にも努力してもらわなければならないということ。どこのコストを減らすべきか。事業のどこに投資すべきなのか。そこを社員一丸となって取り組まなければいけないということは理解できました。
そして事業の再生は相当な期間が必要とされること。
このままでは取り残されると気づいた私はしっかり事業再生について理解しなければならないと思いました。そのためにはしっかり体系的に学ぶ必要性があるという考えに至りました。
申し込みは銀行研修社のWebサイトから受講可能
事業再生アドバイザー認定試験通信講座の受講は銀行研修社のWebサイトから受講可能です。
銀行研修社のWebサイトから「事業再生アドバイザー通信講座」で検索すると見つけやすいです。金額は税込で20,000円となっています。
構成はテキストが4冊。レポート4つで構成されています。
レポートには各々提出期限が定められています。その期限までにレポートを提出できるよう勉強していく必要があります。レポートは以下の順番で提出期限が訪れるのでテキストの初めから勉強していくことがお勧めです。
事業再生の基礎・法律のレポート
1番目のレポートは、事業再生の定義とプロセスから再生手法の大枠についてが出題されました。
ちなみに事業再生の定義は、「収益性の低迷や資産価値の毀損等を原因として、独力での事業の継続に支障をきたしまたは近い将来に支障きたすおそれのある企業が、持続的な事業の存続および成長を可能とするプロセス」のことを言います。
事業再構築は「選択と集中」の大きく2つ。これが重要です。
中長期的な視野に立ち、収益性が回復に至るまでの間、回復の源泉となる技術開発力や営業力といった競争力を維持して継続的に改善努力できるかどうかが重要であり、事業によっては、これ以上傷が深くならないうちに縮小・撤退等の判断が必要となります。
そして事業再生の完了は、「再度自律的な経営を取戻し、かつ持続的な成長が期待できる状況にまで回復させること」と定義しています。つまりこの定義に当てはまるレベルにどう引き上げていくためにはどうすべきかといった点が問題になっています。
再生手法については株式交換、株式移転、会社分割、事業再生ADR、私的整理等、事業や会社の再生によく取り上げられる手法についての理解度が求められます。これらの用語をまとめておくことがお勧めです。
私の初レポートの得点は76点。甘く見ていた部分もありましたが、テキストから広く満遍なく出題された問題だったという印象です。(名前・住所、講師の先生の名前など個人情報の部分はぼやかしています。
事業再生可能性の判断のレポート
2番目のレポートは事業再生における再生する事業の現在位置を把握する分析手法が出題されました。
事業の分析は営んでいる事業の外部(需要、競合他社、今後の展望)を分析する外部環境分析とその事業における自社の強みにフォーカスして分析する内部環境分析の2つがあります。
具体的に外部環境分析、内部環境分析のそれぞれの種類とこれらの組み合わせにおいてどのような判断を下すことが効果的かなどが出題されていました。
また、金融機関として事業再生に手を貸すか否かの見極めといった点も出題されていました。
金融機関目線でどうやって再生に協力できるのかという目線で出題されているので、例えば金融機関から借入れをしていて返せなくなってきたときに金融機関はどこを見ているのかというポイントを押さえる必要があると感じました。
2番目のレポートの得点は80点でした。1回目のレポートの時よりも力を入れて勉強しました。定量分析のところは暗記が必要なところもありますが、仕事柄得意な部分であったことも幸いしました。
事業再生手法のレポート
3番目のレポートは具体的な事業再生手法について出題されました。
1番目のレポートは、再生手法の大枠でしたがその大枠の中でどう再生に取り組んでいくのかという点が問題を解くポイントだと思いました。
特にMBOやアウトソーシング、リストラクチャリングについては本番の試験でも出題された内容なのでしっかりテキストの内容を把握しておく必要があります。
例えばリストラは、再編型のリストラと合理化型のリストラがあります。よくリストラと聞くと従業員を解雇するものと決めつけがちですが、費用の削減や業務効率化もリストラの一部です。
3番目のレポートで初めて90点を超えることができました。やはり楽しく勉強できたポイントは得点が高いですね。リストラについてはコストの削減の考え方の部分で個人的に新たな発見があったことから勉強もスムーズにはかどりました。
再建計画策定のレポート
4番目最後のレポートは再建計画策定の立て替えたついて出題されました。ただ希望的観測で売上を予測するのではなくその売上に、その売上原価に、その経費に「どれだけの信憑性があるか」という視点で考える必要があります。
再建計画は「原則3以内の経常黒字化、3年以内の債務超過解消、10年以内の債務の弁済」を目指していくことになります。これに基づいて、金融機関が貸付先に設定している評価が普通に貸付けることができる「正常先」にランクアップできるか?という視点で作成できているかというところが重要です。
最後の4番目のレポートは86点でした。金融機関の債務者区分を上位遷移させることで新たなに金融機関から借り入れができる状況にもっていく方法など、金融機関ならではの考え方が必要になってきたりしました。テキストを丸暗記するだけでは対応は難しかったです。
通信講座レポートの難易度は?
提出が求められるレポートですが、レポートというより模擬テストといったような感じです。各テキストで勉強する内容から「まんべんなく」出題されます。
もう一度言います。まんべんなく出題されます。
テキストのうちに特定の一部だけ暗記すれば良いというような簡単なものではありません。網羅的な勉強が求められます。
テキストをよく読み込むことが基本となるのでしっかり時間をかけて読み込むことをお勧めします。
アドバイスに温かみがある
レポートを提出してから2週間前後でレポートに講師の先生からアドバイスが添えられて返信されてきます。忘れないうちに確認しましょう。特に間違えた箇所はテキストの「ココを読み込め」というような具体的なアドバイスが受けられます。
私の場合はたまたまこういったアドバイスになりましたが、私の友人はかなりレポートの出来が悪かったようでかなり受講者に気を使ったアドバイスになっていました。(本人に悪いので写真は控えます(笑))
通信講座の終了は終了証が送られてくる
講座の終了後に終了証が送られてきます。私の場合は試験を受験した後に送られてきました。
まとめ
レポート提出は1ヶ月~2ヶ月に1回
事業再生アドバイザー通信講座は春と秋の年2回開講しています。試験月が4月、10月なのでレポートの提出日は春試験であれば1月.2月.3月.4月の上旬が提出期限となっています。秋受験では7月.8月.9月.10月の上旬となると考えられます。
私は春受験でしたのでレポートの提出日は1月.2月.3月.4月の上旬でした。試験日によって提出期限に誤差があると考えられるのでおおまかな目安としてお考えください。
指摘されたアドバイスは参考にしよう
返送されたアドバイスは素直に従った方が良いです。勉強の効率的に進みます。アドバイスは自分の理解が不十分な部分を指摘してくれているので有難く利用させてもらいましょう。
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