事業承継アドバイザー認定試験講座の感想

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事業承継アドバイザー認定試験
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私は事業承継アドバイザー認定試験を講座を受講し取得しました。その前に同じ金融検定協会が実施している事業再生アドバイザー認定試験の受験のため通信講座を受講していました。その時に受験勉強に非常に役立ったため事業承継アドバイザー認定試験についても通信講座を受講することに決めました。

申し込みは銀行研修社のWebサイトから受講可能

事業承継アドバイザー認定試験講座の受講は銀行研修社のWebサイトから受講可能です。

銀行研修社のWebサイトから「事業承継アドバイザー講座」で検索すると見つけやすいです。金額は税込で20,000円となっています。

構成はテキストが3冊。レポート3つで構成されています。事業再生アドバイザー認定試験の通信講座と比べるとテキスト、レポートが1つ少ないので勉強も短くて済んでよかったという印象でした。

レポートには各々提出期限が定められています。その期限までにレポートを提出できるよう勉強していく必要があります。レポートは以下の順番で提出期限が訪れるのでテキストの初めから勉強していくことがお勧めです。金融検定協会が実施している資格試験は通信講座が豊富なので知識が無い方でも比較的容易に学んでいけると思います。

事業承継の基礎知識のレポート

1番目のレポートは、事業承継の基礎知識として事業承継を行うパターンについてが出題されました。

事業承継を行うパターンとは子供、外部関係者、M&Aの3つです。子供は実子でなくても親族の方に承継する場合が含まれます。外部関係者は経営者の部下、すなわち役員に承継する場合です。そしてM&A。M&Aは事業承継元の企業の事業について興味を示している他社に売却、合併、会社分割、事業譲渡を通して承継することを指します。

子供への承継は親族内承継と呼ばれます。生前贈与や相続時精算課税制度についての問題が多かったです。特に相続時精算課税制度についての割合が多かったです。相続時精算課税制度は累積で2,500万円までの贈与については贈与税が発生しません。2,500万円を超えた贈与ついては普通に贈与税が課税されます。贈与税と絡めて出題されるため相続時精算課税制度と贈与税はしっかり把握しておく必要があります。

また、後継者の教育についても出題されました。後継者に選定された人が必ずしも事業に精通している人という訳ではありません。事前に経営幹部として経営に参画させることや、必要に応じてのジョブローテーションの実施を通して後継者を教育すること。取引先や取引金融機関へ後継者としての認知させることの重要性を理解していく必要があります。

経営承継円滑化法はレポートだけでなく、実際に試験に出題されたのでこちらも是非押さえておいて頂きたいところです。中でも非上場株式等についての相続税の納税猶予制度は後継者が相続により非上場会社の株式を取得し、一定の要件を満たす場合には、後継者が相続前から既に保有していた議決権株式を含め、発行済完全議決権株式総数の三分の二に達するまでの部分について課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予される制度です。

親族内承継の判断のレポート

2番目のレポートは親族内承継においての留意点をベースに出題されました。

まずは遺言や遺言信託といった相続に関する取り組みから出題されました。遺言はただ経営者の遺産の分配をあらかじめ決めておくというだけではなく、後継者に株式や事業用資産を集中させるというメリットがあります。

遺言は法定相続分に優先するので、他の相続人の遺留分に留意すれば、法定相続分は関係なく、後継者に株式や事業用資産の集中を行うことが可能です。

次いで株式の種類についても多めに出題されました。事業承継では種類株式を使い後継者に株式を集中させる方法がよく採用されます。後継者には取得条項付株式を、後継者でない親族には配当優先株式や議決権制限株式を譲渡し、後継者でない親族が後々後継者の経営の足を引っ張らないような施策が効果的です。

1番重要なのは自社株承継の受け皿作りという点です。これは個人に株式を渡すのではなく、受け皿会社の株式を対価として事業承継の対象となる会社の株式を株式交換により取得します。受け皿会社の株式を承継資産とすることで容易に承継させることができきます。既に株式が多くの株主に取得されてしまっている場合に効果的です。

役員・従業員・外部への承継とM&Aのレポート

3番目のレポートは具体的なM&Aの種類とメリット・デメリットについて更に突っ込んで出題されました。

1番目のレポートは、M&Aの概略ですがこちらは具体的な取り組みについての出題です。株式交換、合併、会社分割、事業譲渡はしっかり理解しておく必要があります。株式交換と合併、会社分割と事業譲渡はそれぞれ比較される形で出題されるので注意が必要です。しかし、これを押さえておけば3番目のレポートは半分くらいはクリアできたも同然だと感じました。

合併は合併消滅会社が債務超過ではあっても合併することがてぎます。合併は株主総会の特別決議を省略することはできないというところは覚えておきましょう。また、合併・会社分割は債権者異議手続きが必要です。効力発生日の1ヶ月以上前までに債権者が一定期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告する必要があります。

後は雇用関係の引継ぎです。会社分割の場合、雇用関係は分割する部分について包括的に移転するため個別に労働者の承諾は必要ありまくせんが、管理部にように複数部門にまたがる部門の労働者は分割計画書、分割契約書に記載することで帰属が決定します。事業譲渡の場合は労働者を引き継ぐ必要はありません。しかし、どうしても特定の社員がいなけば事業が立ち行かないといった場合は注意する必要があります。

講座レポートの難易度は?

銀行研修社で申し込むことができる通信講座で提出が求められるレポートは、レポートというより模擬テストといったような感じです。事業承継アドバイザー認定試験の通信講座に限って言うと計算問題が多いと感じます。

私は事業再生アドバイザー認定試験の通信講座も受講したことがありますが、 事業再生アドバイザー認定試験の講座と比べると出題範囲が狭い分レポートで出題された問題に似たような問題が本試験でも出題されました。全く同じではないので丸暗記で対応しようという考えは辞めておきましょう。

テキストやレポートの課題を通じてM&Aや自社株承継について整理して理解することが有効な勉強法だと思います。心配なら銀行研修社から発行されている問題集も利用することも有効だと思います。主に試験の過去問題が多く掲載されているので、問題に慣れることができます。

レポートを通じて苦手文化を克服しよう

レポートを提出してから2週間前後でレポートに講師の先生からアドバイスが添えられて返信されてきます。苦手分野についてはテキストを利用し復習を徹底しましょう。私は自社株承継が苦手な分野でした。自社株承継では各種類株式の特徴を把握しておく必要があります。そこに経営者の後継者を実子にするのか、幹部役員にするのか、他社するのかという要素が加わってきます。「後継者にとって経営しやすい環境を整えるにはどうすればよいか」という目線で考えていくとスムーズに理解できると思います。

得意だとしても計算問題は油断しないように!!

特に苦手な項目は無いが計算問題のミスが目立つといった方は要注意です。本試験では計算問題は必ず出題されます。事業承継アドバイザー認定試験で非上場株式会社の株式の価値を算定する問題も出てきます。素直な計算の場合もありますが、株式の価値から逆算して計算する場合もあります。

講座の終了は修了証が送られてくる

講座の終了後に終了証が送られてきます。私の場合は試験の合格証書と同日に別便で届きました。同じ時期に受験した同僚は合格証書受領後に修了証が送られてきたということなのでレポートを提出した日に応じて発行時期は前後するようです。

まとめ

レポート提出は2ヶ月に1回程度

事業再生アドバイザー講座は春と秋の年2回開講しています。試験月が4月、10月なのでレポートの提出日は春試験であれば2月.3月.4月の上旬~中旬が提出期限となっています。秋受験では8月.9月.10月の上旬となると考えられます。

私は秋受験でしたのでレポートの提出日は8月中旬.9月中旬、最後のレポートは10月の上旬でした。試験日によって提出期限に誤差があると考えられるのでおおまかな目安としてお考えください。

講師のアドバイスに従い苦手分野の克服を

通信講座の講師の方は、提出したレポートに基づき勉強についてのアドバイスをコメントして返送してくれます。その中にはレポートの回答・解説も同封されているので、レポートで出題された問題が出題されても完璧に回答できるようにマスターしてください。事業承継アドバイザー認定試験は範囲は狭く感じる分深堀りして出題する傾向にあります。テキストの理解+レポートの復習を根気強く行い合格を目指しましょう。

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